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初めてのロードバイクは何kmから?医師が教える無理のない距離の決め方

ロードバイクを買ったら、「最初は何km走ればいいのだろう」と迷うかもしれません。

結論からいうと、すべての初心者に共通する正解の距離はありません。最初の目安は、運動習慣がほとんどない人なら 10〜20km程度、普段から運動している人なら 20〜30km程度。ただし、距離そのものより「余裕を残して帰れること」を優先してください。

坂道や向かい風が多ければ、同じ20kmでも負担は大きくなります。最初は距離の記録を伸ばす日ではなく、自転車と身体の状態を確かめる日です。

最初の距離は10〜20kmでも十分

ロードバイクは軽く、思った以上に速く進みます。そのため、往路で気持ちよく走りすぎ、帰りに脚が残っていないという失敗が起こりがちです。

運動習慣が少ない場合は、次の条件を満たす10〜20kmのコースから始めるとよいでしょう。

「10kmでは短すぎる」と感じる必要はありません。サドルの高さ、手や首への負担、ブレーキ操作、変速、補給のしやすさなど、初回に確認すべきことはたくさんあります。

距離ではなく時間で決めてもよい

同じ距離でも、平地と坂道、無風と向かい風では負担が異なります。そのため、初心者は「何km走るか」より「何分走るか」で決めたほうが調整しやすいことがあります。

最初は30〜60分ほどを目安にし、途中で一度休憩を入れます。帰宅時に「もう少し走れそう」と感じる程度で終えるのが理想です。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」も、個人差を踏まえて強度や量を調整し、可能なものから取り組むことを基本としています。最初から長距離を達成する必要はありません。

「まだ走れる」ところで折り返す

初心者が最初に覚えたいのは、疲れ切るまで走ることではなく、疲労が大きくなる前に戻る判断です。

折り返し地点では、次の点を確認します。

往路で体力を半分使った感覚なら、すでに使いすぎている可能性があります。帰路の負担や予期しないトラブルに備え、体力と時間に余白を残しましょう。

距離を延ばしてよいサイン

走行中だけでなく、帰宅後と翌日の状態も確認します。

次の条件がそろっていれば、次回は5〜10km程度延ばすか、走行時間を10〜20分延ばすことを検討できます。

一方、膝や腰などの痛みが続く場合は、距離を延ばす前にポジションやフォーム、装備を見直します。胸の痛み、強い息切れ、失神しそうな感覚、動悸などがあれば走行を中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。

初心者向けの距離の延ばし方

例えば、次のように段階を踏みます。

  1. 近所を30〜45分走る
  2. 10〜20kmを余裕を残して走る
  3. 同じ距離を別の日にも安定して走る
  4. 20〜30kmへ延ばし、休憩と水分補給を試す
  5. 50kmを目指す前に、補給とコース計画を整える

毎回距離を延ばす必要はありません。同じ距離を以前より楽に走れるようになることも、大切な進歩です。

これから始める人に必要なのは「余力」

私自身、もともとは運動習慣がなく、肥満の状態からロードバイクを始めました。最初から長距離を走れたわけではありません。睡眠、補給、ペース、身体の使い方を見直しながら、少しずつ距離を延ばしてきました。

長く自転車を楽しむうえで大切なのは、限界まで頑張った距離ではなく、安全に帰り、次も乗れる状態を残すことです。

書籍『医師が実践した「疲労を管理する」ロングライド術』では、睡眠、補給、ペース配分、ペダリング、痛みへの備えを、医学的な知識と1000kmを走る中で得た実体験の両面から整理しています。すでに長距離を走っている方だけでなく、これからロードバイクを始めたい方にも読んでいただきたい一冊です。

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参考資料

本記事は一般的な情報提供を目的としています。持病、症状、服薬がある方や、運動開始に不安がある方は、主治医などの医療専門職へご相談ください。